年が明けおせちが終わったら、
節分の準備となる老人ホームの厨房。
もちろん節分のイベントの余興のダンス練習にも参加しなければならないのですが
(なぜ厨房職員が踊るのかは謎ですが)、
当日のご飯メニューも悩みます。
豆は硬いし恵方巻はかぶりつけないし、
今年は何を出そうかと悩みます。
そんな折に「私は渡辺だから、豆まきしない!」と上司が言いました。
渡辺姓が豆まきしなくていいとは初耳です。
今回はなぜ節分に豆撒きをするのか?
そして渡辺姓がなぜ豆撒きしないのか?について解説していきます。
炒り大豆で豆撒きし、柊にイワシの頭を刺して飾り、
邪気避けをするなど節分行事のいわれについても触れていきます。
最後までお読みくださいね。
豆撒きをする意味ってそもそも何?今更聞けない基本を解説!
節分といえば豆撒きですが、なぜ豆撒きするのか知っていますか?
答えられる人って少ないみたいです。
まずは節分ですが、これは中国で行われていた行事が
日本に伝わったものと言われます。
『続日本紀』には飛鳥時代(6世紀末~8世紀初め)には
すでに宮廷の年中行事として行われていたと記載があります。
役人たちが厄払い役とその手下に扮し、
宮中を掛け声をかけながら回ったと言われており、
これがのちに「豆をまいて鬼を払う」という儀式になったと言われます。
日本では鬼は「ケガレ」の象徴として考えられ、
そのケガレを払うという意味で鬼を追い払う行事になりました。
節分で豆をまくようになったのは南北朝時代(1331~1392)以降で、身分の貴賤を問わず「鬼は外、福は内」と唱えて行われていたようです。
豆は米より大粒で、
鬼を払う効果が抜群であると考えられていました。
また京都の鞍馬山に鬼が現れた際に、
鬼の目をめがけて投げつけ退散させたという伝説もあります。
そんな逸話から節分には炒り大豆を撒くという風習が始まりました。
そしてもう一つ、柊にイワシの頭を刺して飾るという風習、
これも鬼を寄せ付けないためです。
柊の棘の痛さ、イワシの頭の臭気で
鬼を寄せ付けないと言われています。
豆撒きは邪気を払い、一年の無病息災を願うものです。
流行り病などが流行した年はいつもよりもより思いを込めての行事となるでしょう。
「渡辺姓」が豆まき不要なのはなぜ?小学生にも分かりやすく解説!
ここまで、節分の始まりやなぜ豆を撒くのか、
柊にイワシの頭を刺して飾るのか、をお話してきましたが、
ではなぜ渡辺姓は豆撒き不要なのでしょうか?
鬼を寄せ付けない、邪気を払うという意味がある豆撒きよりも
強力な力を持っているのでしょうか。
調べてみると、「鬼が渡辺さんを怖がって近づかないから」
という理由だそうです。
鬼が渡辺さんを怖がる理由は平安時代までさかのぼるそうです。
これは伝説なので細かい点など真偽のほどはわかりませんが、
大筋としては次の通りだそうです。
平安時代、京都を拠点として暴れまわっていた鬼(酒呑童子)を討伐するため、
武将・源頼光は渡辺鋼らと討伐隊を結成しました。
その討伐隊によって、酒呑童子は無事に退治されたのですが、
後日その配下の茨木童子が仇打ちに出ます。
しかし、見事に討伐隊に返り討ちに遭い、腕を切り落とされます。
この腕を切り落としたのが「渡辺鋼」と言われています。
渡辺鋼の強さは鬼たちに衝撃を与えました。
以後、鬼は渡辺一門を恐れるようになり、
ひいては渡辺姓の子孫にも近づかないようになったと言われます。
そのことで、渡辺姓の人は豆撒き不要と言われているのです。
この伝説は京都を中心とした関西圏での話となりますが、
渡辺さんは東北地方などにも多い苗字となっています。
もちろん、渡辺さんだけではなく、
「渡部」「渡邊」「渡邉」などの別の漢字での表記のワタナベさんも豆撒きの必要はないそうです。
ワタナベさんは最強と言えますよね。
また、そのほかにも「坂田」姓の人も豆撒き不要と言われています。
渡辺鋼とともに鬼退治を行ったのが「坂田金時」と言われます。
坂田金時って誰よ?と言われる方もいると思いますが、
幼名は金太郎です。
♪鉞担いだ 金太郎は クマにまたがりお馬の稽古♪
の金太郎です。
ワタナベ、サカタ、最強の苗字ですよね。
しかし、反対にこの二つの姓の人ほど
豆撒きをした方がよいという説もあります。
鬼以外の邪気もあるから、
鬼の怨念を背負っているからとかなんとか。
逸話や伝説、謂れというのは人びとが作り上げたものであるので、
年を追うごとに解釈も変わっていくのでしょうね。
まとめ
渡辺さん最強伝説をもとにした「渡辺姓豆撒き不要説」は、
渡辺さんを鬼が恐れるから、近寄らないからということから言われていることのようです。
子どもがいた場合、「伝説としてこういわれているんだよ」と
伝えるのも勉強になってよいのではないでしょうか。
しかし、本当のところは不明ですので、
豆撒きは年中行事として楽しんでも良いと思います。