お盆近くなると飛び回りだすのが赤とんぼです。
赤とんぼが飛び始めると
秋が近づいてきたと感じる人も多いでしょう。
赤とんぼを見ると♪夕焼け小焼けの赤とんぼ♪と
唄ってしまう人もいますよね。
今日はその赤とんぼについてお話しします。
赤とんぼって種類のとんぼはいないとかいいますが、
どんな名前のとんぼが赤とんぼといわれるのでしょうか?
赤とんぼの種類、見分け方から生態まで詳しく調べました。
赤とんぼの種類の見分け方を解説!生態と主な生息地も教えます
一概に「赤とんぼ」といっても種類があります。
「赤とんぼ」というとんぼはいないのですからね。
それでは赤とんぼといわれるとんぼの
種類と見分け方などまとめます。
赤とんぼと一般にいわれるのは
トンボ科アカネ属(アカトンボ属)に属するとんぼの総称です。
もっと狭い定義でいうならば、
秋に平地に群れをなして出現する
「アキアカネ」のみを指していうことがあります。
しかし、アカネ属に属するとんぼでも赤くないものもありますので、
それは除いたり、
アカネ属に属していなくても赤い体の色のために赤とんぼと呼ばれるとんぼ
(ハッチョウトンボ、ショウジョウトンボ、ベニイトトンボなど)
を含む場合もあります。
色は赤くなく黄色であるが赤とんぼと呼ばれる
「ウヅバキトンボ」というとんぼもいます。
赤とんぼの代表である「アキアカネ」の赤い体色は
気温と関係があるようです。
体温調節昆虫と呼ばれることもあります。
赤とんぼの代表アキアカネの生態と一生
アキアカネは、暑さに強いとんぼではありません。
平地と高地を避暑のために移動して生活するのですが、
移動距離は他のとんぼと比べ物にならないくらいの長距離となります。
そして、とんぼは1年1世代といわれ、
1年で一生を終えます。
春)卵からふ化し、幼虫(やご)になって
ミジンコなどを捕食して成長します。
夏)初夏の夜に羽化します。
暑さを避けるために、すぐに標高の高い山地へ移動します。
涼しい山地で生活して十分成熟し、体色もオレンジ⇒赤へ変化
秋)平地が涼しくなる10月ごろ高地から平地へ移動し、
群れを作って生活しつつ、ため池や水田などに産卵し
12月上旬に一生を終えます。
冬)産卵された卵は、水中や泥の中で冬を越します。
(しかし、マイナス30度になる北海道旭川で、
とんぼの姿で越冬する、
不凍タンパク質を持つオツネントンボという種類もいるようです)
ヤゴの生息地と食べ物)
水田などの湿地帯、ミジンコ、ボウフラ、
オタマジャクシを食べて生活します。
成虫の生息地と食べ物)
平地や丘陵地で、蚊、蜂、アブ、コガネムシなどを食べたり、
小型の蜘蛛を食べたりします。
外敵)カエル、サリガニ、魚、鳥などなど
分布)九州から北海道まで全国に分布
とんぼは結構攻撃的な生態をしているのですね。
蜘蛛を食べるなんて考えても見ませんでした。
赤とんぼはなぜ体が赤いのか?赤くない赤とんぼがいるってホント?
赤とんぼって小さいころから赤いのではありません。
未成熟な赤とんぼは実は「黄色」の体色をしています。
オスは成熟する過程で黄色から赤へと体色を変化します。
これはオモクロームという色素の酸化還元反応で起こります。
動物では知られていなかった体色変化機構で、
赤くなったとんぼの細胞は還元型の色素によって抗酸化状態になっているため、
体色変化にかかわる分子メカニズムの理解が進むことで、
体内の抗酸化状態を維持するしくみの解明も期待されます。
オスの赤とんぼだけが赤くなるのです。
メスや羽化したての未熟なとんぼは地味な黄色っぽい色彩ですので、
やはりメスやオスの認識や縄張り行動などにおいて
重要な役割をになっているようです。
昆虫やその他の動物における体色の変色は
食べ物による色素の取り込みで起こるといわれていますが、
とんぼは少し違っているようですね。
ちなみに青くなるとんぼや黒くなるとんぼもいるのですよ。
アカネ属に属するとんぼなのに「青くなるとんぼ」はナニワトンボ、
「黒くなるとんぼ」はムツアカネです。
そして、アカネ属以外のとんぼで赤くなるのは
「ハッチョウトンボ、ショウジョウトンボ、ベニイトトンボ」などです。
個体によって色にばらつきがあるとは驚きの生態ですよね。
同属に属しても色が違うのも驚きです。
そして、その成熟色を見分けることが出来るように、
とんぼの目は知気学センサーが発達しています。
人間は「青・緑・赤」の三原色を認識していますが、
とんぼはなんと15~33種類もあり、色の違いに非常に敏感です。
人には見えない紫外線も見えるそうです。
まとめ
赤とんぼは酸化還元反応という
化学的な反応によって体色が変化する、
体内で化学の実験が行われているようなものである
というのには驚きました。
今年ももうすぐ秋へと季節が変化していきます。
この体色変化の話を知って赤とんぼを見ると、
今までとは見方が変わりますね。